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年間1万人の大虐殺

あるアメリカの軍事専門家が言った。「人を殺すのは簡単だ。」と。理由は?と聞くとこう答えたそうな。「一昔前、人を殺すには至近距離からナイフのような物で殺すしかなかった。殺す瞬間、どうしても返り血を浴びたりナイフの感触を味あわなければいけなかったのでどうしても人は躊躇し、殺すことができない場合が多かった。しかし、昨今、人を殺すには銃を用いる。至近距離でなく遠くからただ、「撃つ」だけなのである。返り血を浴びることもなければ罪悪感など感じることもない。そう引き金を引くだけに過ぎないのだ。私が思うに、人を殺した時の罪悪感の大きさとその殺したときの距離は反比例する。距離が遠ければ遠いほど罪悪感など感じはしない。」と。

確かに、私もそう思う。たとえばヘリコプター等で上空から人を殺したとしても殺したかどうかすらわからない。罪などほとんど感じることもないとおもうのだ。しかし、ナイフ等で至近距離で殺そうとすれば、それは一生記憶に刻まれるだろう。トラウマになるかもしれない。それくらいの恐怖なのである。

話が随分と逸れたが、私が今回書きたいのは銃の話。ご存じかどうかはしらないが、実にアメリカでは毎年一万人前後の人達が銃による殺人で殺されている。しかもこれは銃に寄る犯罪だけでナイフやその他の道具をつかった殺人は含まれていない。比較対照にすらならないが、日本の年間殺人件数は1200〜1300。10万人あたりの発生件数としては実にアメリカの銃犯罪の5分の1となっている(実際のアメリカの殺人件数は18000程度。つまり日本の割合と比較すると実に9倍の多さになっている)。

しかし、いまだにアメリカでは銃は必要不可欠という意見が根強い。この意見は全米ライフル協会などによって強く支援されているため、政界もへたに規制への動きへ移れないのである。ロビー活動と呼ばれるものによって規制への動きは抑制されていると言えるだろう。反対に、世論は別のようだ。昨年(2000年)にコロラド州でおきた高校での銃乱射事件の後のアンケート結果では実に80パーセントのアメリカ人が「銃は規制されるべき」との見解を示した。これは明らかに全米ライフル協会が政界に強く圧力をかけているかという証拠でもある。世論より利益なのである。

アメリカでは現在、いまだに年間約100万もの銃が販売されている。銃の販売には登録が必要ではあるが、2001年におきたサンディエゴでの銃乱射事件を見てもらってもわかるように、高校生だろうが中学生だろうが簡単に銃を手に入れることができるのである。規制をしようとしている政府とは裏腹にネット販売等による裏販売も活発化してきているという。

私は留学して2年になるが、いまだに銃を見たことがない。私が住んでいるホストファミリーも銃を所持していない。しかし、銃で撃たれたという友達を知っているし、私の住んでいる町の繁華街の方では警官隊と銃撃戦という事件も時々起きる。銃は身近にありそうでないのだが、事件はかなり身近にあるのかもしれない。

世界の中で一番の先進国であるアメリカ。しかし、人々はいまだに銃に依存し、銃を持つ権利を主張する。自己防衛も大事かもしれない、しかし安易な意見であることは承知だが、銃がなければ大多数の犯罪は防げるだろう。前述したように、銃での犯罪というのはあまりにも簡単で罪悪感もなく繰り返し行われてしまう。自分たちの国の大統領が数名殺されているのにその諸悪の根元の銃を規制しようという動きはいまだにロビー活動によって制限されてしまっている。人は豊かになり、平和を求めるようになった。しかしこの国にはいまだに平穏という文字はないのかもしれない。

自分たちの手で自分たちを毎年一万人も虐殺する自虐的な国アメリカ。銃規制によってどこまで平和になるのかこの国にわかる日はいつになるのだろうか?

*尚、銃に関してはあまりにも個人でまかなえる情報の域ではない。よって、もしこれ以上くわしい事をしりたければ、アメリカ銃社会の実態(別サイト)を見て欲しい。詳細な統計から犯罪率まで詳しく掲載されているので参考にしてほしい。

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